We ask a tiny fly
how it decides and acts
based on external cues.
我々は、絶えず外界から獲得する感覚情報に基づいて思考し、意志決定し、行動します。例えば、好物の匂いを感じれば歩みを進め、 懐かしい匂いに遭遇すれば暫し過去を回想し、腐敗物の匂いを感じれば回避します。当研究チームは、これら一連のプロセスを支える 脳内情報処理とそのメカニズムを理解することを目指します。また、情報処理の様式が経験や環境によってどのように変化するかを 追究します。
この目標を達成するために、以下の様々な利点を備えたショウジョウバエをモデル動物として用います。脳を構成する神経細胞の数が 少ないので、細胞や回路を同定し、系統的かつ網羅的に調べることができます。電気生理、イメージング、光遺伝学等の手法を用いて、 生きた個体内において特定の神経細胞の活動を記録したり操作したりできます。一方で、仮想空間を用いることで感覚入力に基づいた 行動を詳細に追跡できます。これらデータの定量的解析と数理モデルの構築を通して、情報処理の基本的原理や神経活動と行動の 関係性を明らかにします。更に、その情報処理のメカニズムを、細胞、シナプス、及び回路レベルで理解することを目指します。